

普段見ているスローと違うと思います(VTRを再生しながら)。絵がブレず、動きに連続性があって。TV放送が50年前から続いてきた中で30コマの規格に変化がなかったことに物足りなさを感じていました。一方、いわゆるハイスピードカメラが出てくると、限られた放送時間で出すタイミングにも制約が出てきますし、コストやスタッフ数の問題に直面しました。
なんとかできる技術はないか、中継が終わるたびによく話していました。オールカメラ・オールスーパースローを、3倍速でピッチャーの投げるボールを撮っているようなものをすべてのカメラでできたら格好いいじゃないですか。動きがよく分かるし、表情も綺麗に表現できて。
数年前欧州で60Pの放送規格が提唱されたのを受けて、プログレッシブで綺麗に出せるのを期待しましたが、コマ数が増えていないので、スローをしても効果は出ませんでした。
そこでその60Pをバラして120iの倍コマになればいいのではとご相談したところから設計がスタートしたのです。これができれば次の中継車のメインにしようと。それが3Gの始まりです。奇麗なスローを出すために模索し、必然的に3Gbpsの信号が必要になりました。ハイビジョンへの移行が一段落した頃でしたが、誰もやっていない分野を手がけるのはやりがいがありました。
車内配線に使っている同軸ケーブルの重さは1トンを超えていますが、軽量化のためには二本にせず3Gの一本の信号にまとめることも必要でした。現実問題と戦うなかで、あくまでも特別なものでなく標準のもの、長く使えるものをつくりたいという思いから今回の3Gbpsシステムは実現しました。
スポーツでは来月にJリーグサッカーと、オークス、ダービーの競馬が決まっています。この中継車をぜひ使いたい、使ってみたいというご意見を多数頂いています。 |